もくじ
炭水化物とは
炭水化物は米や小麦などの穀類やいも類、砂糖などの主成分で、タンパク質と脂質に並んで重要な栄養素の1つです。健康な体作りに欠かせないエネルギー源となっています。そのため、必要な量の炭水化物を摂取することは健康を維持する上でとても大切であり、その摂取量が適量であれば炭水化物が原因で肌荒れやニキビを引き起こすことは基本的にありません。
炭水化物に含まれる糖質とは
糖質は炭水化物に含まれる栄養素の一つです。炭水化物は主に糖質と食物繊維が組み合わさってできています。炭水化物を摂取すると体の中で糖質と食物繊維に分けられます。糖質は消化酵素のはたらきでブドウ糖に分解され、体のエネルギーとして使われます。食物繊維は吸収されずに胃腸を刺激して動きを活発にするはたらきがあります。このとき体のエネルギーとして消費しきれなかった余分なブドウ糖は中性脂肪に変わり、皮下脂肪として蓄えられます。これが炭水化物を摂ると太ると言われる理由です。また、糖質は脂質よりも脂肪として蓄えられやすい性質があります。よく耳にする糖質制限ダイエットはここに着目し、食事の量は減らさずに甘い物や炭水化物を減らして、その中に含まれる糖質の摂取量を制限して余分な糖が脂肪として蓄えられるのを防くことで減量するダイエット法なのです。
糖質とニキビの関係
糖質を体のエネルギーとして利用するには消化・分解・運搬・変換などの過程が必要です。このとき多くのビタミンB群やミネラルを消費します。ビタミンB群には皮脂の分泌量をコントロールする作用があります。つまり、必要以上の余分な糖質の分解にビタミンを消費してしまうと健康な肌の維持に必要なビタミンが不足し、皮脂の分泌量が増えてしまいます。また、炭水化物を食べると、糖質がブドウ糖として血液中に取り込まれ血糖値が上昇します。そうするとブドウ糖を体のエネルギーとして吸収して血糖値を下げる働きをするインスリンが多く分泌されます。このインスリンには皮脂腺を刺激し皮脂の分泌を活発にする作用があります。このように、肌のターンオーバーを正常に保つためにも欠かせなビタミンB群の不足や過剰に分泌されたインスリンの作用が肌のターンオーバーの乱れや過剰な皮脂分泌を引き起こし、毛穴詰まりや肌荒れ、ニキビなど多くの肌トラブルの原因になるのです。以上のように炭水化物と肌は実はとても密接に関係しています。
炭水化物の過剰摂取に注意する
現代人の食生活において、その多くが炭水化物を過剰に摂取している傾向にあります。例えば、米、パン、麺類などは炭水化物を多く含む代表的な食品ですが、中でも外食は炭水化物中心のメニューが非常に多いと言えます。また、自炊でもパスタ、うどん、ラーメンなどの麺類や丼物など、作るのが楽でお腹がふくれる食事は炭水化物中心のものばかりです。このような食生活ではどうしても炭水化物の摂りすぎになってしまいます。炭水化物の過剰摂取は肌に悪い影響を与え、肌のターンオーバーの乱や肌荒れやニキビの原因となります。もちろんいくら食べても肌荒れやニキビができない体質の人もいますが、炭水化物の摂りすぎは血液がドロドロになる要因にもなり、動脈硬化や糖尿病のリスクを高めるなどさまざまな健康トラブルの引き金となるので注意が必要です。
炭水化物を減らして肌荒れやニキビを改善する
炭水化物は健康な体を維持する上で欠かすことのできない栄養素です。炭水化物を含む食品を絶つというような極端な糖質制限をしてしまうと体の健康はもとより、肌の状態も悪化させてしてしまいます。大切なのは適切な摂取量であり、その他の栄養も含めた栄養バランスのよい食生活です。肌荒れやニキビを改善するためにも、炭水化物を完全に抜くのではなく、量を少し減らして改善していきましょう。
1日に必要な糖質の目安を知る
ではニキビ肌を改善して健康な肌を保つには具体的にどれくらいの量が必要なのかを見てみます。
推薦される一日の摂取カロリーの内訳はたんぱく質15~20%、脂質20~30%、炭水化物50~65%が基準となっています。炭水化物の摂取量を60%に設定すると、仕事がデスクワークなど運動量が少めな人の場合は成人女性で一日約270g、成人男性で一日約330g程度が推薦されている量になります。
成人女性の場合
・一日に必要なエネルギー量:1800kcal
・そのうち炭水化物による必要エネルギー量:1080ka
・糖質は1gで4kcalなので必要な糖質の量は270g
成人男性の場合
・一日に必要なエネルギー量:2200kcal
・そのうち炭水化物による必要エネルギー量:1320kcal
・糖質は1gで4kcalなので必要な糖質の量は330g
肌荒れやニキビ改善のために糖質の摂取量を減らす場合は、朝、昼の食事ではいつもの量の炭水化物を摂り、夜は控えめにするなど、糖質制限がストレスにならないように自分に合った方法を見つけて徐々に減らしていくことをおすすめします。また、健康に影響が無いように最低でも100gは摂るように心がけてください。このとき、摂取した炭水化物がエネルギーとして効率的に利用できるようにビタミンB群を多く含くむ食品、又はサプリメントも一緒に摂るようにしましょう。糖質の分解をスムーズにし、皮脂の分泌量をコントーロールして肌の状態を良くします。もちろん肌の健康のためにはその他の不足しがちな栄養素も忘れずにしっかり摂りましょう。


主食を減らす効率的な糖質制限でニキビや肌荒れを改善する
主食とは米、パン、麺類などのことです。茶碗1杯のご飯150gの中には糖質が約56g含まれていると言われています。また、食パン1枚60gの中には糖質が約27g含まれています。ラーメン、うどん、パスタ1人分250gの中には糖質が約50〜70g含まれています。このように主食の多くが素早くエネルギーとして利用できるように炭水化物で構成されており、それらの量を減らすことで簡単に糖質の摂取量を減らすことが出来ます。また、根菜・暖色野菜・イモ類・豆類・果物などには他の栄養素と合わせて炭水化物も多く含んでいるので、主食を食べなかったとしても体に必要な糖質をある程度補うことができます。主食で摂る炭水化物の量を上手に減らして、その分、不足しがちなミネラルやビタミン、食物繊維を摂ることで肌荒れやニキビを改善していきましょう。