スキンケアや生活習慣に気を使っていてもニキビが中々改善しない場合、もしかするとその症状はニキビではなく他の皮膚炎の可能性があります。特に顔に赤みがある場合は「脂漏性皮膚炎」や「酒さ」である場合があります。
もくじ
脂漏性皮膚炎とは
脂漏性皮膚炎は体の中でも皮脂がたくさん分泌される部位に炎症を起こす皮膚炎です。顔の場合はおでこや鼻などのTゾーンにできやすく、はっきりした赤みやブツブツなどの湿疹が出たり、稀にかゆみをともなう場合もあります。また、皮脂や角質が固まってできたフケのようなものが出てくることもあります。脂漏性皮膚炎はニキビや肌荒れの症状と似ているので、間違えたケアをすると悪化する可能性があります。脂漏性皮膚炎の原因は生活習慣やストレス、体質などでおこる皮脂の過剰分泌などがきっかけとなり発症すると考えられています。そして脂漏性皮膚炎を発症している皮膚には、皮脂をエサとするマラセチア菌が多いことがわかっています。マラセチア菌とは真菌(カビ)の一種で、実はどんな人の皮膚にも存在する菌なのですが、脂漏性皮膚炎の場合、このマラセチア菌が過剰分泌された皮脂を餌に、異常繁殖し、その影響で炎症物質である遊離脂肪酸が増加して皮膚が炎症反応をおこしてしまうのです。
脂漏性皮膚炎の治療法
脂漏性皮膚炎は異常に繁殖したマラセチア菌を正常な数に抑えることができれば自然と改善します。治療にはマラセチア菌に対する抗真菌薬が効果的です。また、抗真菌効果のある石鹸や洗顔料もあります。脂漏性皮膚炎の予防では、皮脂の過剰分泌の原因となる生活習慣やストレス等の要因をできる限り取り除き、十分なビタミンな摂取や肌に合ったスキンケアで皮脂分泌を抑制することが大切です。



酒さとは
酒さは、赤ら顔が長く続く慢性的な皮膚病です。発症の原因については「不明」と言われることが多く、抗生物質や漢方薬による治療法はあるものの絶大な効果のある薬がないため完治が困難といわれていますまた発症しやすい人は遺伝的な体質が影響しているようです。特徴的な症状は、赤ら顔になりその部分がほてって皮膚が乾燥します。赤みの症状は脂漏性皮膚炎と似ており、おでこや頬、鼻や顎などにもみられます。また徐々にニキビに似た発疹も出てくることがあります。症状が長引くと鼻が赤くでこぼこになる鼻瘤という症状が現れることもあります。
酒さの改善方法
酒さの症状を改善するためには、極力、患部への紫外線の影響を避けることや日々のスキンケア、食生活、睡眠、ストレス対策など生活習慣を整えることがとても重要だといわれています。明確な発症原因が無いことから、まずは全ての面において健康的で身体を労る生活を送るこを心がけましょう。
「脂漏性皮膚炎」と「酒さ」の違い
脂漏性皮膚炎はマラセチア菌の異常繁殖が見られるかどうかで判別します。一方、酒さにはマラセチア菌の異常繁殖はありません。しかし脂漏性皮膚炎と酒さが併発することもあるため注意が必要です。また皮膚炎には、他にもアトピー性皮膚炎や接触性皮膚炎、酒さ様皮膚炎(ステロイド酒さ)など、似たような症状のものもあり複雑です。症状に心当たりがある場合はこれらの診断を得意とする医師にかかることをおすすめします。
脂漏性皮膚炎とニキビを併発
非常に厄介なのが脂漏性皮膚炎とニキビを併発している場合です。この場合、炎症が治るまでかなり長期戦になります。私は以前ニキビ治療中に脂漏性皮膚炎を発症しました。その時は重度のニキビの症状と長期に及ぶ治療で皮膚が弱りきった状態で中々治りませんでした。また脂漏性皮膚炎が収まった後も残念ながら赤ら顔は改善しませんでした。
「アキュテイン療法」を検討してみる
脂漏性皮膚炎とニキビを併発している人はアキュテイン内服療法を検討してみるのもおすすめです。アキュテインは難治性の重傷ニキビに最も効果のある内服薬です。皮脂を作る皮脂腺を退縮させ、強力に皮脂分泌を抑制するため脂漏性皮膚炎の原因であるマラセチア菌の異常繁殖も抑制されます。また、継続して内服することで肌のターンオーバーを正常化してニキビができにくい肌質に改善します。
アキュテインはニキビ治療の内服薬としては最も効果のある薬ですが保険適応外であり、副作用もあることから医師の指導のもと服用することをおすすめします。
アキュテインについてより詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。