にきびについて

5つあるニキビの種類

ニキビができやすい肌の状態

思春期ニキビと大人ニキビ(吹き出物)は根本的な原因にいくつか違いはありますが、ニキビができやすい肌の状態はどちらも一緒です。主に肌のターンオーバーの乱れや、皮脂の過剰分泌が毛穴づまりの元となり、ニキビに発展します。ニキビには症状の進行段階によっていくつか種類があります。初期段階から順に、白ニキビ→黒ニキビ→赤ニキビ→黄ニキビ→紫ニキビと呼び方が変わります。少しでも早くニキビを改善するには、まず自分のニキビの段階を知り、それぞれの症状に応じた正しい対処とスキンケアをおこなうことが非常に重要です。

 

ニキビの種類

白ニキビ

白ニキビはニキビの初期段階です。ターンオーバーの乱れや皮脂の過剰分泌、乾燥などによって古い角質が皮膚に残り、毛穴の入口を塞いでしまいます。そこに皮脂がたまっていき少し盛り上がった状態になったのが白ニキビです。毛穴の中ではアクネ菌などの細菌が増殖し始めていますが、この段階はまだ炎症はなく、白い小さな点ほどの大きさなのでよく見ないと気がつかない場合もあります。

黒ニキビ

白ニキビの状態から毛穴の中の皮脂がさらに増加し、固まった皮脂が毛穴の表面に押し出されて空気に触れて酸化した状態です。酸化により皮脂が黒くなることから黒ニキビとよばれます。まだ痛みや痒みはありませんが、皮膚は白ニキビよりやや盛り上がった状態になり、これ以上皮脂がたまるとアクネ菌がさらに増殖して炎症につながるので注意が必要です。

赤ニキビ

白ニキビや黒ニキビの症状が進行すると赤ニキビになります。詰まった毛穴の中にたまった皮脂をエサにアクネ菌が増殖し、皮膚組織が刺激されて炎症を引き起こします。皮膚が赤く腫れあがり、触ると痛みや痒みが現れます。ニキビが赤ニキビにまで進行すると色素沈着やニキビ跡になる可能性があります。

黄ニキビ

赤ニキビの状態がさらに進行すると、ニキビの中に膿がたまり黄ニキビになります。膿疱(のうほう)とも呼ばれています。毛穴にアクネ菌や黄色ブドウ球菌が増殖し、重度の炎症を起こして化膿した状態です。皮膚の表面からは黄色い膿が見てとれます。この状態になるとニキビの炎症が皮膚の表皮の下にある真皮層にまで達し、組織を傷つけてしまうので治るのに時間がかかります。また、ニキビ跡として残るリスクがとても高く、適切な処置が必要です。できれば皮膚科での治療をおすすめします。

紫ニキビ

紫ニキビは赤ニキビや黄ニキビからさらに炎症と化膿が進行して膿に血液が混じり、赤黒く変色した状態で痛みを感じるニキビです。赤ニキビや黄ニキビの腫れとは違うゴリゴリした”しこり”のような感触があります。ニキビの炎症が皮膚の表皮の下にある真皮層にまで達しダメージを負っているのでこの状態まで悪化してしまうと、色素沈着をはじめ、クレーター状のニキビ跡が残ってしまう場合もあります。早めに皮膚科で治療することをおすすめします。
 
 

毛穴の状態

今あるニキビを改善するには

症状が軽度であればスキンケアの見直しや、薬局で手に入る市販薬の使用などで改善が見込めます。それでも良くならない場合は一度皮膚科で受診されることをおすすめします。皮膚科での主な治療方法は下記の通りです。

・ニキビ治療の内服(飲み薬)や外用薬(塗り薬)を使用して症状を改善させる。
・炎症の強いニキビの場合はステロイド外用薬を使用する。
・更に深刻な場合は直接ステロイドの注射薬を注入する。

などの方法があります。それでも繰り返してしまうときは生活習慣や体質から改善していく必要があります。
 
 

ニキビを根本からできにくくする

治ってもまたすぐに新しいニキビができてしまう場合は、ニキビができやすい肌の状態を根本から改善しなければまた同じことの繰り返しになってしまいます。基本的なこととしてはまずスキンケアの見直し、生活習慣の改善、食生活の改善、ストレスを溜めない生活などが挙げられます。それでも繰り返してしまうという場合は下記のような方法があります。

漢方療法

漢方薬には体の内側から体質を改善し、ニキビができる原因をなくしていく効果があります。また、通常の薬に比べ体への負担が少なく、漢方の効果が現れた後は服用を止めても再発しにくいという特徴があります。

より詳しく知りたい方はこちらから。

ホルモン治療

女性は低用量ピルやスピロノラクトンを使用したホルモン治療が可能です。
ピルと聞くと避妊薬のイメージが強いですが、ピルに含まれる女性ホルモンはニキビの原因の一つである男性ホルモンの働きを抑え、自律神経のバランスを保つ作用があります。思春期ニキビやストレスによる大人ニキビも男性ホルモンによる影響が大きいと言われています。ピルを服用することで男性ホルモンの影響を抑えてホルモンバランスを正常化し、ニキビの改善に大きな効果があります。生理前にニキビができやすい方や、皮脂分泌が多くニキビに悩まされている方におすすめの治療法です。

アキュテイン(イソトレチノイン)内服治療

アキュテインは難治性の重傷ニキビに高い効果のある内服薬です。皮脂を作る皮脂腺を退縮させ、強力に皮脂分泌を抑制します。また、継続して内服することで肌のターンオーバーを正常化してニキビができにくい肌質に改善します。ニキビ治療の内服薬としては最も効果のある薬ですが保険適応外であり、副作用もあることから使用には注意が必要です。

より詳しく知りたい方はこちらから。

PDT療法

PDTとはフォトダイナミックセラピーの略で光線力学的療法とも言われます。元々はガンの治療に用いられていた療法です。アミノレブリン酸という物質を内服し、それが皮脂腺に取り込まれるとポルフィリンという物質に変わります。ポルフィリンには特殊な光に反応して活性酸素を発生する性質があります。皮膚に特殊な光線を当てることで発生した活性酸素が皮脂を抑制し、アクネ菌を殺菌して毛穴を正常な状態にします。数あるニキビ治療法の中でも皮脂腺にダイレクトに作用することから非常に効果の高い療法ですが、自由診療で保健が効かないため治療費は高額になります。