にきびと肌

乾燥肌、敏感肌に効くヒト型セラミドとは

セラミドの役割

セラミドには、肌の中の角質層にある細胞同士を繫ぎ止めるはたらきと、スポンジのように水分や油分を抱え込んで蓄えるはたらきがあります。このセラミドが不足すると、肌に水分や油分を保持することができず、乾燥が進み、肌のハリもなくなってしまいます。また、それと同時に肌のバリア機能の低下を招き、空気の乾燥や、紫外線、摩擦など、様々な外的刺激から肌を守ることができなくなってしまいます。このようにセラミドは肌の潤いを保つと同時に、免疫力を高め、外的刺激から肌を守るためにとても重要な役割を担っています。

 

ヒト型セラミドとは

ヒト型セラミドとは、酵母菌を育成させ作られるセラミドのことです。人間の肌の角質層にあるセラミドと同じ化学構造を持っているため「ヒト型」と呼ばれています。セラミドには他に「合成セラミド」や「天然セラミド」がありますが、その中でも「ヒト型セラミド」は人間のセラミドと同じ構造を持っているのでその他のセラミドに比べ、肌への浸透力がもっとも高く、保湿力に優れており、肌なじみが良いという特徴があります。肌への刺激が少なく、バリア機能を高めるのに効果的で、乾燥肌や敏感肌、インナードライ肌の改善にとても適した成分です。
 

ヒト型セラミドの種類

ヒト型セラミドには11の種類があり、その中で肌へのはたらきが確認されているものは7種類あります。

セラミド1(EOP):肌の水分保持効果と外部の刺激から肌を守るバリア機能を高める
セラミド2(NG):肌にもっとも多く含まれるセラミドで水分を保持するための高い能力を持つ
セラミド3(NP):肌の水分保持効果とシワを改善する機能がある
セラミド4(EOH):角質層のバリア機能を高め肌を保護する
セラミド5(AG):セラミド4と同様
セラミド6(AP):お肌の水分保持とターンオーバーを促進、シワを改善する
セラミド7:皮膚の常在菌のバランスと細胞増殖のコントロール
 

ヒト型セラミドのメリット・デメリット

ヒト型セラミドの良いところは、浸透性と親和性に優れている点です。人の肌で作られるセラミドと同じ構造をしているため、肌に不足したセラミドを補う効果があり、保湿力に優れているため敏感肌や乾燥肌、インナードライ肌を改善するのに高い効果を発揮します。しかし、ヒト型セラミドにも短所があります。ヒト型セラミドは水溶性ではないため水に溶けない性質があり、あらゆる成分への溶解性が低いことや、粒子が大きいことから化粧品へ高配合することが難しく、肌への浸透性も十分ではありませんでした。しかし、年々進歩している技術革新によりこういった問題は改善されつつあります。また、ヒト型セラミドの粒子をナノ化する技術で肌への浸透力を飛躍的に高めることにも成功しています。このように現在ではナノ化したセラミドを配合した多くの商品が登場しています。
 

「合成セラミド」や「天然セラミド」って?

「合成セラミド」は別名疑似セラミドと呼ばれ、セラミドに類似した物質を化学的に合成したものです。「天然セラミド」は動物から抽出した動物由来のセラミドで肌への浸透性も良く肌馴染みに優れています。以前はヒト型セラミドを化粧品へ高配合することが難しかったため、セラミド配合を謳う化粧品の多くが人間の肌にあるセラミドと似た構造の「合成セラミド」や「天然セラミド」を使用していました。しかしあくまで似た構造なので、「合成セラミド」や「天然セラミド」は「ヒト型セラミド」ほど、乾いた肌に潤いを取り戻したり、バリア機能を回復させる効果は期待できないことが明らかになっています。
 

ヒト型セラミド配合の化粧品の選び方

ヒト型セラミドを配合した化粧品は多数ありますがその中でも、肌の水分保持とバリア機能を高める効果のある「セラミド1、3、6」と人間の肌にもっとも多く含まれ、肌への影響力が大きい「セラミド2」が配合された化粧品がおすすめです。また、セラミド化粧品を選ぶ際、その効果を左右するセラミドの濃度もその効果を左右する重要なポイントです。成分表示では、濃度の高いものから順に表記されるのでセラミドが上のほうに表記されている製品を選ぶようにしましょう。
 

こだわるならナノ化されているものがおすすめ

すこし高価になりますが、肌への浸透性を高めたヒト型ナノセラミドを配合したものは通常のセラミドより浸透性に優れ、有効成分を角質層の奥までしっかり届けることができ、肌の保湿と改善に非常に高い効果が期待できます。他の化粧品でいまいち効果が感じられないという方は是非一度試してみることをおすすめします。