重症ニキビに最も効果のある薬と言われているアキュテイン(イソトレチノイン)にはいくつかの副作用があるとされています。そして、その中の一つに「肝臓や腎臓の機能障害がおこる可能性がある」という報告があります。そのためニキビのアキュテイン服用治療を行なっている皮膚科やクリニックでは1ヶ月から2ヶ月おきに血液検査を実施しています。しかし、近くにアキュテインの治療を行なっている皮膚科が無かったり、金銭的な事情からアキュテインを個人輸入している私たちはその副作用の不安はありながらも自らが自主的に血液検査を行わない限り、肝腎機能の状態を知ることはできません。この記事ではそんな私達でも、手軽かつリーズナブルに血液検査を受け、肝腎機能の状態を知ることで自身の健康状態を確認しながら安心してアキュテインの服用治療を続けていく方法をご紹介していきます。
アキュテインについてより詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
かんたんに血液検査を行う方法
まず初めに、簡単かつ安価に血液検査を受ける方法をいくつかご紹介します。
会社の健康診断で確認する
企業に勤めている方や公務員であれば年に一回実施される健康診断で血液検査が行われていると思います。費用も会社負担なので身体の健康状態を知る一つの方法としてこれを利用しない手はありません。頻度が年一回ということで少々不安はありますが、アキュテインの副作用は服用を止めれば速やかに改善するという特徴があり、明らかな体調不良の自覚がない場合はこの結果を頼りに判断するのも一つの方法だと思います。
個人向け健康診断や人間ドッグを行なっている医療機関を利用する
より短い頻度で定期的に身体の状態を知りたい場合は個人向け健康診断や人間ドッグを行なっている病院で診察を受けるという方法もあります。この個人向け健康診断は、主に自営業の方や専業主婦の方、もしくは会社の健康診断とは別でより詳しい健康状態を知りたい方々などが利用する場合が多いようです。個人向け健康診断を実施しているい病院は各地に一定数あるので自分の居住地域を検索ワードに入れてgoogleなどで検索すれば簡単に見つけることができると思います。個人向け健康診断ではいくつかコースが設定されており、そのコースによって検査項目と金額が変わってきますが、血液検査を含む最低限の検査で大体6,000円前後の病院が多いようです。検査内容としては、身長・体重・血圧・視力測定、聴力検査、尿検査、胸部レントゲン、液検査では貧血(赤血球・血色素)肝機能(ALT[GPT]、AST[GOT]、γ-GTP)、糖質検査(HDL・LDL・TG)血糖などを知ることができ、検診にかかる時間も空いていれば15分から20分と短時間で済むため思ったより手軽に検査を受けることができます。
血液検査が行われる診察を受ける
その代表としてアレルギー診断などが挙げられます。自身がどのような体質でどのような物にアレルギーを持っているのか判断する上で血液検査は必須とされており、保険も適用されることから費用の負担も最小限で血液検査を受けることができ、自身のアレルギーについても知ることができます。この方法は近隣にアレルギー検査を行なっている病院が多数あればその数だけ血液検査を受けることができると思います。これもgoogleなどで検索すれば簡単に見つけることができると思います。
自宅でできる血液検査

これはネット通販で検査キットを購入し、そのキットを使用して極微量の血液を自宅で採取して検査機関に送付することで、後日その検査結果が送られてくるというものです。現代では自身の健康管理において、血液の検査で健康状態を判断したい場合には、その手間からも病院には行かずに自宅で行える検査キットが主流となりつつあります。気になる検査キットを利用した場合の採血方法ですが、病院で使用されるような注射器ではなく、ランセットという素人でも非常に簡単かつ痛みを最小限に抑えた専用の採血器具を使用する方法をとっています。費用は5,000円〜7000円前後で現在ではAmazonなどの通販サイトでも取り扱いがあるので気軽に検査キットを購入し、好きなタイミングで血液を採取して検査を申し込むことができる非常に便利なシステムになっています。
KDDIが提供するセルフ健康チェックサービス「スマホdeドック」

血液検査キット スマホdeドック 生化学14項目
●スマホdeドック公式WEBサイト●
DEMECALの生活習慣病12項目+糖尿病セルフチェック

生活習慣病12項目+糖尿病セルフチェック
●DEMECAL生活習慣病セルフチェック公式WEBサイト●
大正製薬が提供する健康チェッカー

これらのサービスでは病院での血液検査同様に、糖代謝、脂質代謝、肝機能、腎機能、栄養状態の検査などなど数多くの検査項目があり、その結果を知ることができます。アキュテインの副作用として心配のある腎臓と肝臓の機能についてもその状態を知ることができるので簡単で手軽に利用できる非常におすすめの方法です。
肝臓と腎臓の機能状態を知るための検査項目
これまでご紹介した血液検査では数値の他に、検査から分かる身体の健康状態を素人でも分かるように解説してくれるため、どの数値が高かったり低かったりすると身体の健康状態がどうなのか、ということを知らなくても特に問題はありません。しかし、それを理解していると自分の身体の状態やその傾向についてより細かく知ることができます。
肝機能の状態が分かる項目
血液検査で肝機能の状態を判断する項目にはALT(GPT)、AST(GOT)、γ-GTP値があります。ALT(GPT)、AST(GOT)は肝細胞に多く含まれており、肝細胞が破壊された時に血液中に流れ出てくるため、ALT、ASTそれぞれの数値が基準値より高いことは肝細胞に異常があることを示しています。また、この時にALT、ASTそれぞれの値のどちらが高いか(ALT/AST比)にも注目する必要があります。ALTの値よりASTの値が高い場合は肝硬変や肝がんが疑われ、ASTの値よりALTの値が高い場合は慢性肝炎が疑われます。また、ALTの値が正常であるのに対し、ASTの値だけが極端に高い場合は心筋梗塞などの病気である可能性もあります。
γ-GTPは肝臓や腎臓などの細胞に多く含まれており、たんぱく質を分解する酵素です。これらの臓器に障害が起こって細胞が壊れると、γ-GTPが血液中に流れ出てきて数値が上がります。よってγ-GTPの数値が基準より高い場合は肝臓や腎臓に異常がある可能性があります。またγ-GTPはアルコールに反応する特性があります。そのため、お酒を飲む習慣のある人は肝障害を起こしていなくても数値が自然と上昇します。ですが、健康であれば一時的に数値が上昇するだけですぐに正常値に戻るため、血液検査をおこなう数日前からお酒を控えれば今の身体状態の正確なγ-GTP値を知ることができます。
各数値の基準値
ALT(GPT)の基準値:4~41 IU/L
AST(GOT)の基準値:8~34 IU/L
γ-GTPの基準値:50 U/L以下
※基準値の上限下限は検査する病院や機関によって多少異なる場合があります。
腎機能の状態が分かる項目
次に腎機能の状態を判断する項目はクレアチニン、尿素窒素、eGFR(糸球体濾過量)です。
クレアチニンとは老廃物の一種で、通常は腎臓でろ過されて、尿として排出されます。しかし、肝臓で正常に処理することができない場合は血液中のクレアチニンの値が上昇します。この数値が高い場合、腎機能障害や腎炎、尿毒症などの疑いがあります。逆に筋ジストロフィーや多尿(尿崩症)肝機能障害などでは低い値を示します。
次に尿素窒素とはタンパク質が分解されるときにできる老廃物の一種で、クレアチニンと同様に尿として排出されます。しかし、腎機能低下や腎炎などの腎臓病によって上手く尿として排出できない状態になると血液中の値が上昇します。
最後にeGFR(糸球体濾過量)ですが、eGFRとは分かりやすく簡潔にご説明すると腎臓にある糸球体という毛細血管の塊がクレアチニンを尿へ排泄する能力を数値化したものです。クレアチニン値と年齢、性別から推算し、腎臓の機能を表す値として最も多く使用されており、この値が低いほど腎臓の働きが悪いということになります。
各数値の基準値
クレアチニンの基準値:0.47~0.79mg/dL
尿素窒素の基準値:7~23 mg/dL
※基準値の上限下限は検査する病院や機関によって多少異なる場合があります。
・eGFR
腎臓の排泄機能をみるための指標で、腎機能障害により低い値を示します。
eGFRの基準値:90~100
私、にきねこの血液検査結果
最後に、私 にきねこの血液検査結果についてお伝えしようと思います。画像は私がアキュテインの服用を開始してから2ヶ月と少し経った2018年の検査結果と、1クール終了後の休薬期間4ヶ月を経て2クール目を開始し、アキュテイン服用治療開始から延べ15ヶ月間経った2019年の検査結果結果です。この2回の血液検査ではご覧の通り、私の場合、全て正常という結果が出ました。むしろ各項目の数値を見ると尿検査を含めて、服用から間もない頃より15ヶ月経った現在の方が良い結果となっています。この結果から見るにアキュテインの副作用の一つ「肝腎機能を低下させる疑いがある」というのは服用者全員に起こるものでは無いということです。ちなみに私の生活習慣はもう何年も変わっていません。服用開始から間もない頃はニキビができることが当たり前で、精神的にも身体的にも極限まで追い詰められていました。しかし、今ではアキュテインの効果によってニキビに悩まされることが無くなり、ストレスが激減し、心身共に健康な状態に近づいたことから、アキュテイン服用から15ヶ月経った今の方が1年前の前回の検査時より良い結果になったのだと思います。定期的に血液検査を行い、肝腎機能の状態を知ることももちろん重要ですが、常に自分の体調の変化に敏感であることを心がけ、その変化を感じて服用を続けるのか一旦様子を見るのか、一度病院で診てもらうのかを判断することが大切だと思います。
アキュテインの個人輸入についてより詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。